フォニックスを子ども英語に取り入れるために必要な知識
幼児、小学生への英語教育にフォニックスを取り入れるときに注意するべきことは、
1.フォニックスを教える方法にこだわりすぎない。
2.そもそも、フォニックスを教えすぎない。
目次
フォニックスを教える方法にこだわりすぎない。
フォニックスを教える方法は複数あり、その中でも、アナリティックフォニックスとシンセティックフォニックスがメインだということを記事で書きました。
もう少しそれについて補足説明をさせてください。
アナリティックフォニックスとシンセティックフォニックスの違い
アナリティックフォニックスというのは、まず単語ありきで、そこから音を分割していくやり方です。全体→パーツ。つまり単語ファースト。アナリティックというのは「分析的」、という意味です。
それに対して、シンセティックフォニックスというのは、パーツ→全体。まず個々の「音」を教えて、それを組み合わせて、単語を認識させます。パーツ→全体。音ファースト。シンセティックというのは、「統合的」という意味です。音を、統合する、ということなのですね。
シンセティックフォニックスを教えるプログラムであるジョリーフォニックスのHPには、Children are taught the 42 main letter sounds. Children are taught how to blend the sounds together to read and write new words.と書いてあります。
英米では、従来アナリティックフォニックスが主流でした。アメリカでは今でもそうです。まず、単語をもとにアルファベットの音を覚えます。A says A, A, Apple.というやつですね。また、ヒントとなる「絵」が添えられ、「推測読み」が奨励されます。
単語をオンセット・ライムに分けて韻(ライム)に気づかせ、そこから「同じライムは同じスペリングである」と導きます。そのとき重要になるのが、「音韻認識」です。単語を音節に分けられる、音節の数がわかる、ライムに気づく。このようなことができていないと、アナリティックはできません。ある程度の単語を知っている必要があるわけです。
それに対して、まず文字に対する音(Sの音は/s/等)を教えるシンセティックは、そうではありません。極端に言えば、全く英語を知らない子どもにでも、「S」の文字を見せて、その音は/s/でると教えることはできるわけです。一音一音、教えていって、それを組み合わせて単語にすると教えることはできるわけです。単語の意味を考えなければそれは可能です。
「推測読み」は良くないとされ、1つ1つの音を理解することに重きがおかれています。
シンセティックフォニックス=ジョリーフォニックスではない
シンセティックフォニックス=ジョリーフォニックスというわけではなく、まず文字に対応する音を一音ずつ教えていく、というプロセスは全てシンセティックフォニックスになるわけです。ジョリーフォニックスの特徴としては、「文字を書く」というプロセスが組み込まれていることかと思います。
大方のフォニックスは、読むことがメインですが、すぐにスペリングを書くことにつなげているわけですね。
アナリティック、シンセティック両方大切
アナリティックのアプローチでも、大抵の場合は、途中から音をブレンドして単語を作るシンセティックな作業も取り入れられています。アメリカでこの数年間毎年、幼稚園、小学校の現場を見学していますが、そういう印象です。
また、日本でもMPIを始めとする主な教材は両方のアプローチがうまくブレンドされています。
両方のアプローチをうまく使っていけばいいと思います。
ただ、シンセティック派の中には、アナリティックを否定する声があることも事実です。
しかし、ジョリーフォニックスのHPには、そのようなことは書かれてありません。
私的には、segmentingというプロセス”Listening for the sounds in words”がありますので、これがほぼアナリティックに近いのかな、と考えています。
「音韻認識」の重要性にも触れてあります。
ですが、心配なことがあります。イギリスのオンラインのジョリーのインストラクターコースを受けた人が「ジョリーはアナリティックを否定している」というのを聞いたからです。
子どもが、絵をヒントに推測読みをすることがよくないことなのかどうか。。。
特に、外国語として英語を学ぶ子ども達にとっては絵のヒントなどがあった方がいいのではないかなとか。。。
色々心配はあります。
あまり極端にならなければ、大丈夫だとは思いますが。
誤解があってはいけないのですが、私はジョリーフォニックスを否定しているわけではありません。あれこれ資料を集めて研究中です。
ホンネを言いますと、アマノジャクな私は、「イギリスの文科省のおすみつき!」とかいうのを聞くと、ちょっと警戒してしまうわけですよ。
まっ、新しいものに飛びつかず、様子を見ようと思っています。ジョリーフォニックス側の論文ももちろん読んでいますが、反対の立場の論文も当然あるわけです。両方の意見を聞かないとね。
中でもこれは、ジョリーの有効性の根拠となっているスコットランドでの実証研究に疑義を唱えるもので、一読の価値はあるかと思います。
でも、子ども達は、たくましい!
結論がこれってどうかとは思いますが、でもね、教える先生が、情熱と愛を持って教えていれば、大抵大丈夫なんですよ。教材ありきではないんです。
イギリスの保護者用教育掲示板Mum’s netを見ると、保護者の声が色々のってて面白いです。
興味深いのは、「学校でジョリーフォニックス習ってくるのはいいんだけど、それじゃーORT読めないじゃないー。だから結局家で私が教えてるわw」みたいな書き込みが結構あること。
イギリスでは、ジョリーとORTが鉄板の組み合わせなようで、それがうまく回ってない、というんですね。ORTというのは基本的に、フォニックスベースではないからね。。。
それでおかしいのは、それでもみんな、あんまり心配してないこと。
「まあいいわ、どうせ2~3年もすれば、なんだかんだ読むようになるから」っていう声が多いんです。
そう、そうなんですよ!大抵の子どもは、大丈夫です。なんだかんだで読めるようになりますって。それでも困難を感じる子は、個別指導ですね。
なんだか、おんなじことをまた書いてしまったわ。失礼しました。
0歳、1歳、2歳、幼稚園児英語、小学生の英会話教室、せつこでした!
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